下肢の機能をひと言で表すと、『移動する』ことです。ロコモーターとも呼ばれ『運ぶもの』を意味します。
この移動する能力は、人々の生活の質や幸福度に深く関与し『自分の好きな時に好きな場所に行ける』そんな当たり前のことも、これらのロコモーターが正常に機能してくれるからです。逆に、下肢の機能に異常をきたすと移動能力の低下が起こり、生活の質や幸福度を一気に下げてしまいます。
発症原因が明確であるケースでは、スポーツ中に捻った、転んでぶつけてしまった、交通事故で負傷した、など、一度の強い負荷で筋肉や関節を損傷し発症します。
しかし、多くの場合は特に原因が明確ではなく、いつの間にか痛めるケースや強い負荷ではない些細な動作で痛めてしまうケースが大半を占めます。また、数ヶ月~数年前に受傷した怪我が完治せず、未だに生活の支障になっていたり、手術をしたのに症状が改善しないことも多くあります。
「動作、姿勢による蓄積負荷」
上記の通り、股関節・膝・足首・足部はロコモーターと言われる『体を運ぶ』機能を有します。しかし、この『体を運ぶ』機能こそが関節に負荷をかける原因となりうるのです。
イメージしていただきたいのが車のタイヤです。車のタイヤは言わずもがなロコモーターに該当し、車の走行距離により摩耗します。これは人間に例えると10歳の子供に比べ80歳の高齢者の方が、関節の隙間が狭く、軟骨も擦り減っていると捉えてください。事実、10歳と80歳の各関節のレントゲン画像には明確な差があります。
答えはNOです。
患者様に度々この様な質問をされますが、私は逆に質問を返しますと痛みが加齢ではないと理解してくださります。
(右膝痛の人に対し)『〇〇さんの右膝は左膝より年上なのですか?』
『〇〇さんの同級生は皆様膝が痛いのですか?』
この質問の意図は、加齢が原因であれば、なぜ症状に左右差があるのですか?加齢が原因なら同世代全員が痛みを感じているはずですよね?という加齢原因論を否定する内容になります。
では、いつの間にか発症した痛みの原因は具体的に何なのでしょうか。
ここで先程の例になりますが、車のタイヤは車体の歪みや重心の傾きがあった場合、4つ全てのタイヤが平等に摩耗する訳ではなく、1つのタイヤのみ摩耗が激しくなることがあるのです。また、車体の重さや積載量、走行距離によって、この摩耗は急加速します。
お気付きの様に人の体も同様です。
体の歪みや重心のズレ
歩き方や階段の昇り方が悪く関節に負担をかけている
この様な、関節にとって非効率な歩行や移動が質的に低下した状況で、
体重が急激に増えた
筋力が低下している
一日中、重労働をしている
などの量的概念がプラスされ初めて発症するのです。
例)歩き方が膝に捻れる負荷をかけている+体重が増えた=膝が痛くなった
一日中座っている時間が長く腰が歪んでいる+体重が右重心となる=右足首が痛くなった
運動不足で筋力が低下+リュックを背負って登山した=股関節が痛くなった
これらは、全て『身体的原因』が『移動負荷の増大』を引き起こし発症したケースです。
そして、以上の話から最も伝えたいことは『自分が気付かない内に関節に負荷がかかり』発症し『これらの原因は大体が解決できること』なのです。加齢が原因と言われたら、もう治らないと言う意味になります。(年齢が若くなることはありません)
「理学療法士の資格を持った鍼灸師」
姿勢や動作から痛みの原因を特定する医療免許は理学療法士しか存在しません。
厚生労働省が管轄する学業プログラムに運動学があり、授業では歩行分析や姿勢分析と言ったバイオメカニクスを専門的に学び、
国家試験にまで出題され、その信憑性は担保されています。
今まで、整骨院や整体院、鍼灸院に行った際『姿勢が悪いですね』『歩き方が膝に負荷をかけてます』と
言われた経験がある方もいらっしゃると思います。その言葉に信憑性はありますか?
1対1の治療は不安。そんな悩みを持っている方は是非お連れ様と一緒に治療を受けに来て下さい。私の治療は『患者様に原因を理解していただく』ことに力を入れています。お連れ様にも話を聞いていただき、治療が合理的かどうかしっかり判断して下さい。
初回で治療方針に納得のいかない方は0円です。初回時の料金は治療方針にご納得し治療を継続的に行う際に発生します。