院長のつぶやき

腰痛と睡眠時間には深い関係があります

2025/12/24

睡眠不足は腰痛のリスクを高める?

腰痛で悩む方は非常に多いですが、その原因として「睡眠時間の不足」が関係していることをご存じでしょうか?
睡眠は身体を休めるだけの時間ではなく、腰にかかる負担を軽減し、椎間板や筋肉の回復に欠かせない重要なプロセスです。

特に最近は、仕事やスマホ使用で就寝時間が遅くなる方が増え、慢性的な睡眠不足が腰痛を悪化させているケースが多く見られます。
今回は「なぜ睡眠時間が短いと腰痛が起きやすいのか?」という視点で、腰痛と睡眠の関係を解説します。


■ 睡眠が少ないと腰痛が増える理由

① 睡眠時間が短いと「臥位の時間」が減る

人間の姿勢の中で、腰への負担が最も少ないのは 寝ている姿勢(臥位) です。

  • 立位:腰椎への負荷は体重の約3倍
  • 座位:立位よりさらに負荷が増える
  • 臥位:椎間板への圧力が最も少ない

睡眠時間が短くなる=臥位の時間が減るということ。
立っている時間・座っている時間が相対的に長くなり、その結果 腰痛が起こりやすくなる のです。


② 座位や立位が増えると椎間板ヘルニアのリスクも上昇

椎間板ヘルニアは、腰椎にかかる圧力が繰り返されることで椎間板が変形して発症します。

特に座位姿勢は椎間板への圧力が高く、長時間坐りっぱなしの生活はヘルニアの発症率を高める大きな要因になります。
睡眠不足で休む時間が短くなると、当然その分だけ椎間板への負荷が増え、
ヘルニア・坐骨神経痛・慢性腰痛のリスクが上がる のです。


③ 睡眠不足は筋肉の回復を妨げる

睡眠中、身体は筋肉・靭帯・関節の修復を行っています。特に深い睡眠時には成長ホルモンが分泌され、組織の回復を促します。

睡眠が不足すると、

  • 腰周囲の筋肉が回復しない
  • 筋肉が固くなる
  • 姿勢が悪くなる
  • 疲労が蓄積し腰痛が治らない

という悪循環に陥ります。

「寝たのに腰が重い…」という方は、睡眠時間が足りず回復が追いついていない可能性が高いのです。


④ 睡眠不足は「痛みを感じやすくなる」

研究では、睡眠不足は痛みを感じる感受性を高めることが分かっています。

  • 少しの負荷でも痛みを感じる
  • 同じ姿勢が辛い
  • 腰痛が慢性化しやすい

十分な睡眠は、身体的な回復だけでなく「痛みを感じにくい身体」を作るためにも必要なのです。


■ 腰痛改善のためには「睡眠時間の確保」が必須

腰痛の改善には、

  • ストレッチ
  • 姿勢改善
  • 運動
  • 鍼治療や整体

などが重要ですが、それと同じレベルで 睡眠時間の確保が不可欠 です。

▼ 推奨される睡眠時間

一般的には 7〜8時間 が理想とされています。
最低でも6時間を切らないようにすることで、腰への負担が減り、椎間板や筋肉の回復能力も高まります。


■ 睡眠の質を上げる簡単なポイント

  • 寝る1時間前にはスマホを控える
  • 枕の高さを見直す(高すぎると首〜腰に負担)
  • 寝る前に軽くストレッチをする
  • 休日も寝る時間・起きる時間を大きく変えない
  • ベッドやマットレスの硬さを調整する

これらの工夫で睡眠の質が上がり、腰痛改善の効果がさらに高まります。


■ まとめ

睡眠不足は腰痛リスクを高める大きな要因

腰痛の原因はさまざまですが、睡眠不足が影響しているケースは非常に多いです。

  • 睡眠が短いと“臥位の時間”が減り腰への負担が増える
  • 座位・立位が増え、椎間板ヘルニアのリスクが上がる
  • 筋肉の回復が遅れ、腰痛が慢性化する
  • 痛みを感じやすい身体になる

しっかり睡眠時間を確保することは腰痛改善の基本です。

慢性的な腰痛に悩んでいる方は、まず“睡眠習慣を見直すこと”から始めてみてください。
それでも改善しない場合は、当院のような専門家による評価と施術が必要となる場合もありますので、気軽にご相談ください。

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