膝の痛みで整形外科を受診すると、よく行われるのがヒアルロン酸注射です。軟骨を保護し、関節の動きを滑らかにする目的で使用されますが、近年ではその効果に対して疑問の声が高まっています。
米国整形外科学会(AAOS)は2013年のガイドライン(2021年更新)にて、ヒアルロン酸注射を変形性膝関節症の治療として推奨しないと明言しています。複数の臨床研究を評価した結果、プラセボと比べて有意な痛みの改善が認められなかったことが理由です(AAOS Clinical Practice Guideline, 2013)。
また、**英国医学誌BMJ(2022年)のシステマティックレビューでも、ヒアルロン酸注射の効果は臨床的に意味のある差とは言えず、「根本的な治療にはならない」**とされています(BMJ 2022;378:e069722)。
さらに、注射による関節の腫れや感染リスク、繰り返し注射による組織の損傷といった副作用も報告されています。
ヒアルロン酸では、膝の痛みの原因である関節の配列異常や筋肉のアンバランスは改善されません。
当院では、膝だけをみるのではなく、股関節・足首・骨盤・体幹の連動をチェックし、全身から整えていく整体を行っています。
痛みを繰り返さないためには、「局所の注射」よりも「身体全体の使い方とバランスの見直し」が重要です。
Bannuru RR et al. (2022). Efficacy and safety of hyaluronic acid in osteoarthritis of the knee: systematic review and meta-analysis. BMJ. 378:e069722. https://www.bmj.com
AAOS. (2013). Treatment of Osteoarthritis of the Knee: Evidence-Based Guideline, 2nd Edition. https://www.aaos.org
そこで、最も重要とされていることは「運動療法」です。
当院では理学療法の視点と、鍼灸師としての視点から、膝痛の原因を見つけ出し、痛みの改善に最も有効な手段を考えていきます。
膝の痛みでお悩みの方は手術やヒアルロン酸以外の選択肢かたはじめてみてはどうでしょうか。